喫茶養生今日のあなたに、ちょうどいい一杯を。
「今のあなた → いつ・なぜ → 参考(カフェイン・遺伝子)→ お茶選び」。 4つのステップを順にたどると、あなたに合う一杯にたどり着きます。
整えてから、体験する。
お茶の心地よい体験は、飲んだ成分がきちんと巡り、吸収・処理されることが前提です。だからまず土台、今の身体の状態を診て、そのうえで「いつ・なぜ」と「相性」を重ね、最後に一杯を選ぶ——このガイドでは、これを順にたどっていきます。
あなたの現在地 ― からだの傾き具合
まずは2つの自己チェック(3つのはたらき/7タイプ)から。今の傾きが、あなたに合う一杯の出発点になります。
(背景にある「からだの層構造」は、このセクションの最後に参考として載せています。)
からだの3つのはたらき ― 自己チェック
今の傾き(7タイプ)― 自己チェック
下のタブから、7タイプの詳しい性質、お茶の相性を見られます。これは診断ではなく、“今の相性”の道しるべとお考えください。自己チェックを終えると、該当タイプが自動でハイライトされます。
体質は生涯変わらないものではなく、環境や暮らし方でゆるやかに移り変わります。だからこのページは、いまの傾きで今日の一杯を選びます。
※ 各タイプの定義は『中医体质分类与判定』(GB/T 46939-2025)に、痰湿質と血瘀質を「痰瘀」としてまとめた点は BCQ(体質量表)にならっています。平和質を除いた7タイプで扱う、独自の簡易指標です。
陰虚 / いんきょYIN-XU
| 定義 / Definition | うるおい(陰液)が少なめで、口やのどが乾き、手のひら・足の裏がほてりやすい。陰液虧少・口燥咽干・手足心熱(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 抗酸化を支える |
| 今の傾き / Signs | ほてり・乾き・寝つきの浅さ |
| 相性のよい茶 / Tea | 白茶・黄茶・清香烏龍(甘潤・涼をとりすぎず) |
| 控えめに / Ease off | 濃い紅茶・強い焙煎・冷やしすぎ |
陽虚 / ようきょYANG-XU
| 定義 / Definition | あたためる力(陽気)が足りず、寒がりで冷えやすい。陽気不足・畏寒怕冷(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | めぐり・温活 |
| 今の傾き / Signs | 冷え・気力の出にくさ・お腹の冷え |
| 相性のよい茶 / Tea | 紅茶・熟プアール・生姜ブレンド(温・めぐらす) |
| 控えめに / Ease off | 冷たいお茶・強い緑茶 |
痰瘀 / たんおPHLEGM-STASIS
| 定義 / Definition | 湿の停滞(痰湿質)と、血のめぐりの停滞(血瘀質)を重ねた見方です。痰湿質=湿がこもり、体格はふくよかで、おなかまわりがゆるみやすい。血瘀質=血のめぐりが滞り、肌色がくすみ、あざができやすい。痰湿凝聚・形体肥胖・腹部肥満/血行不暢・膚色晦暗・易現瘀斑(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 抗炎症・代謝 |
| 今の傾き / Signs | 重だるさ・むくみ・すっきりしなさ |
| 相性のよい茶 / Tea | 烏龍・後発酵茶・熟成茶/玫瑰花〈ローズ〉(温通・化湿・活血) |
| 控えめに / Ease off | 加糖・ミルクティー・冷たい寒涼のお茶 |
見分け:あなたはどちら寄り? 「痰瘀」は“湿の停滞(痰湿)”と“血のめぐりの停滞(血瘀)”が重なった状態。近いほうで、合わせ方を寄せます。
| 近いサイン / Signs | 体が重だるい・むくみ・ベタつき・舌の苔が厚い |
|---|---|
| 寄せ方 / Aim | 化湿・利水を強める(水分の停滞をさばく) |
| 足す薬草 / Add | 陳皮・ハトムギ・佩蘭〈ペイラン〉(+熟プアール・烏龍) |
| 近いサイン / Signs | 肌のくすみ・シミ・肩こり・唇が暗い・あざができやすい |
|---|---|
| 寄せ方 / Aim | 活血を強める(血のめぐりを促す) |
| 足す薬草 / Add | 玫瑰花〈ローズ〉・田七・クコの実(+熟成茶・烏龍) |
気鬱 / きうつQI-STAGNATION
| 定義 / Definition | 気のめぐりが滞り、気分が沈みやすく、ものごとを感じ取りやすい。気機鬱滞・情緒低沈・敏感多慮(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 神経を、ときほぐす |
| 今の傾き / Signs | はりつめ・ため息・のどのつかえ |
| 相性のよい茶 / Tea | 茉莉花茶・柑橘・カモミール(芳香・理気) |
| 控えめに / Ease off | 高カフェイン・エナジー系 |
特稟 / とくびんSENSITIVE
| 定義 / Definition | 生まれつきの偏りがあり、アレルギーなど過敏な反応が出やすい。先天失常・過敏反応(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 抗炎症・敏感さへ |
| 今の傾き / Signs | アレルギー傾向・刺激に反応しやすい |
| 相性のよい茶 / Tea | 低刺激の老白茶・1芯1葉の白茶 |
| 控えめに / Ease off | 新茶・花粉期の花茶 |
気虚 / ききょQI-XU
| 定義 / Definition | 元気(気)が不足し、疲れやすく息切れしやすい。元気不足・易疲労・気短(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 気を補う・底上げ |
| 今の傾き / Signs | 疲れやすい・息切れ・声が小さい・食後の眠気・かぜをひきやすい |
| 相性のよい茶 / Tea | 穏やかな紅茶・烏龍・熟プアール(補気・温和) |
| 控えめに / Ease off | 濃い緑茶・冷たいお茶・空腹での濃い茶 |
湿熱 / しつねつDAMP-HEAT
| 定義 / Definition | 湿と熱がこもり、顔が脂っぽく、にきびが出やすい。湿熱内蘊・面垢油光・易生痤瘡(GB/T 46939-2025) |
|---|---|
| 整えたい方向 / Aim | 清熱・化湿 |
| 今の傾き / Signs | 脂性・にきび・口の苦み/口臭・べたつく便・体が重く熱っぽい |
| 相性のよい茶 / Tea | 緑茶・生プアール・白茶・荷葉(清熱利湿) |
| 控えめに / Ease off | 加糖・ミルク・強い焙煎・高アルコール |
Reference 参考:からだバランス全体像 開く
自己チェックの背景にある、からだの層構造です(読み物としてどうぞ)。
免疫とバリアの中枢。蠕動・腸肝のめぐりで“めぐり”にも関与。
解毒・代謝の実働器官。グルタチオンで“抗酸化”も担う。
エネルギーとレドックスの中心。
※ 細胞小器官(臓器とは階層が異なります)/葉酸・一炭素代謝でメチル化の基質も供給します。※ 実際は各層が双方向に連動する一つのネットワークです(層は説明のための整理)。その他の系、免疫は「抗炎症」、概日リズムは後述の「時刻」に対応します。
今のタイプが見えたら、次は「いつ・なぜ飲むか」を重ねます。↓
いつ・なぜ飲むか
同じ茶葉でも、季節・時刻・目的で表情が変わります。今のあなたのタイプに、この3つを重ねてみましょう。
さらに“効き方の個人差”を、参考情報として重ねます。↓
相性を深める ― カフェインと、遺伝子
同じお茶でも、効き方・抜け方は人それぞれ。任意の参考情報として、カフェインとの相性と、遺伝子の傾向を添えると、選択の精度が上がります。
Optional ・ 任意(選ぶと結論に反映されます)Tips: テアニンは、カフェインの“角”をやわらげ、集中を穏やかに支えるお茶のアミノ酸です。
Note: 茶葉そのもののカフェイン量は、白茶・緑茶・紅茶でそれほど変わりません。一杯が実際に穏やかになるのは、もともとカフェインの少ない茶葉(当店では仙茶)、水出し、番茶のように育った大きな葉を含むお茶の場合です。逆に、芽を多く含むお茶ほどカフェインは多くなります。実測した茶葉には、乾茶100gあたりの測定値を併記しています。
遺伝子は「なぜその相性なのか」を考えるヒントになる参考情報です。ただし一つひとつの影響は小さく、多くの要因のひとつにすぎません(確定的な予測や診断ではなく、あくまで“傾向”です)。検査結果をお持ちの方は、下の各項目で活性の程度を選ぶと結論に反映されます(未選択・不明のままでも構いません)。まだ調べていない方は、遺伝子解析サービスを提供する事業者にお問い合わせください。
Genes 遺伝子を選ぶ(全15項目・任意) 開く
選び方の目安高活性/高めはたらきが強い型標準変異なし(機能が保たれる型)中間ヘテロ接合など、標準と低の中間の型低活性/低めはたらきが弱い型不明未検査・結果がわからない※ どの型が多いかは遺伝子・集団によって異なります。「標準」は頻度ではなく、機能が保たれる型を指します。
※ ADORA2A・SLC6A4・HTR1A・TAS2R38 は酵素ではなく受容体・輸送体のため、「活性」ではなく感受性・発現量の高低として表記しています。
選択済み 0 / 13 項目(未選択・不明のままでも構いません)
ここまでの3つを重ねて、あなたの一杯へ。↓
あなたに合うお茶
今のあなた(タイプ)×「いつ・なぜ」× 参考(カフェイン・遺伝子)を重ねると、あなたに合うお茶の傾向と、一杯が見えてきます。
抗酸化・うるおしの一杯。涼やかに、からだのさびを防ぐ。
※ カフェイン量は、クロマトグラフィーで実測した茶葉についてのみ数値を示しています。それ以外は未測定です。茶葉そのもののカフェイン量は白茶・緑茶・紅茶で大きくは変わらず、一杯が穏やかになるのは、もともと少ない茶葉・水出し・育った葉を含むお茶の場合です(参考文献 9〜11)。
※ PDFはお使いの端末の中だけで作成されます。入力内容も宛先も当店のサーバーには送信・保存されません。
「レポートを開く」→ 端末の印刷/共有機能から、PDF保存やLINE・メール送信ができます。
共有に対応していない場合は、PDFがダウンロードされますので、メール等に添付してお使いください。
全タイプ早見表
日常の養生茶
| 属性 | 巡り・整い/晩茶・後発酵 |
|---|---|
| 製品例 | 晩茶・白茶・後発酵の茶 |
お茶に重ねる、スパイス・薬草
ここから先は本編の付録です。お茶選びだけで完結しますので、興味のある方だけどうぞ。
お茶はもともと、薬草として飲まれてきました。お茶の産地に育つスパイス・薬草を少量重ねると、一杯の表情がやわらかく変わります。(カフェインは加えません)
以下は、性味・配伍と飲用文化に基づく“相性の目安”です。科学的に効果を実証した統一基準ではありませんので、参考としてお楽しみください。
並び順は、3つのはたらき(めぐり・処理/抗酸化/抗炎症)と体質・目的に加えて、お茶とトッピングの温涼(五行の相性)も考慮して選んでいます。
マックケン・草果・桂皮・桂枝・八角・生姜・ガランガル
紫蘇・ウコン・丁子・シナモンの葉
クコの実・バタフライピー・レモングラス・菊花
※ 妊娠中・授乳中・通院中/服薬中の方は、医師・薬剤師にご相談のうえ少量から。ウコン・生姜・丁子などは体質・状況により控えめに。
References 参考文献・出典 開く
本ページの考え方の下敷きにした資料です。個々の製品の効果を実証するものではなく、また特定の効能を保証するものでもありません。
- 国家市场监督管理总局・国家标准化管理委员会『中医体质分类与判定』GB/T 46939-2025(2025年12月31日発布/2026年4月1日施行). 標準情報中医体質9分類の現行の国家標準。本ページのタイプ名・定義はこれに準拠しています。ただし「平和質」は傾きのない状態にあたるため選択肢に置かず、「痰湿質」と「血瘀質」は後述のBCQの一軸(Stasis)に合わせて「痰瘀」としてひとつにまとめ、計7タイプで扱っています。
- 中华中医药学会『中医体质分类与判定』ZYYXH/T 157-2009. 中国中医药出版社, 2009.上記国家標準の前身となる団体標準。本ページ作成時の主要な参照元で、9タイプの名称・定義は国家標準に引き継がれています。
- 王琦『中医体質学』人民卫生出版社.9体質理論の原典。
- Wang Q, et al. Constitution in Chinese Medicine Questionnaire (CCMQ), 2009.60項目・9下位尺度の自記式質問票。気鬱・特稟・気虚・湿熱の設問設計の参考。なお GB/T 46939-2025 では、約40万例の調査をもとに項目が27問へ整理され、平均回答時間は11.6分から4.23分に短縮されています(偏りのある体質の判定は転化分40点以上)。
- Su YC, Chen LL, et al. Body Constitution Questionnaire (BCQ) — Yang-Xu / Yin-Xu / Stasis, 2008–2009.陰虚・陽虚・痰瘀の3軸。本ページのセルフチェックの構造上の下敷き。
- 本草(四気五味・帰経)の一般的記載、および五行学説(相生・相剋)。お茶・薬草の性質づけと、合わせ方の考え方に使用。
- Haskell CF, et al. The effects of L-theanine, caffeine and their combination on cognition and mood. Biol Psychol. 2008;77(2):113–22. DOIテアニンとカフェインの組み合わせに関するヒト無作為化試験。
- Nehlig A. Interindividual differences in caffeine metabolism and factors driving caffeine consumption. Pharmacol Rev. 2018;70(2):384–411. DOICYP1A2・ADORA2Aなど、カフェインの効き方の個人差について。
- Chin JM, et al. Caffeine content of brewed teas. J Anal Toxicol. 2008;32(8):702–4. DOI白茶・緑茶・紅茶の浸出液は 14〜61 mg/杯。茶種による一定の傾向は見られず、浸出時間の影響が大きいと報告されています。
- Zhang H, et al. Influence of brewing conditions on taste components in Fuding white tea infusions. J Sci Food Agric. 2017;97(9):2826–33. DOI白茶でも、湯温と浸出時間が上がるほど浸出液のカフェインは増えます。「一杯に出てくる量」が淹れ方で決まることの根拠。
- Pan J, et al. Comparison of the main compounds in Fuding white tea infusions from various tea types. Food Sci Biotechnol. 2018;27(5):1311–8. DOI一芯のみの白毫銀針より、葉を含む白牡丹・寿眉のほうが浸出液の主要成分は多いという結果。摘採部位と茶葉の形が浸出量に効くことを示しています。
- Shoba G, et al. Influence of piperine on the pharmacokinetics of curcumin in animals and human volunteers. Planta Med. 1998;64(4):353–6. DOI黒胡椒のピペリンとウコンのクルクミンの併用(ヒト試験を含む)。
- Peters CM, et al. Formulation with ascorbic acid and sucrose modulates catechin bioavailability from green tea. Food Res Int. 2010;43(1):95–102. DOIビタミンCとカテキンの吸収について(動物・細胞試験。ヒトでの実証ではありません)。
- Cryan JF, et al. The Microbiota-Gut-Brain Axis. Physiol Rev. 2019;99(4):1877–2013. DOI腸と神経のつながり(層構造モデルの背景)。
- Borovikova LV, et al. Vagus nerve stimulation attenuates the systemic inflammatory response to endotoxin. Nature. 2000;405(6785):458–62. DOI迷走神経を介した抗炎症の経路。
- Ducker GS, Rabinowitz JD. One-Carbon Metabolism in Health and Disease. Cell Metab. 2017;25(1):27–42. DOI一炭素・SAM代謝(メチル化の層)とミトコンドリアの関わり。
※ 引用文献の一部は動物・細胞を用いた研究、または一般的な総説です。人での効果や、本ページで扱うお茶・薬草そのものの効果を示すものではありません。文献情報の確認にはPubMedを利用しています。